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◆ペースメーカー
 
■ 心臓が動く仕組み

小学生のころ、カエルの脚の筋肉に電気を流すとカエルの脚が動く、といった実験をされた方がいらっしゃるかもしれません。一般に筋肉は電気の命令で動きます。心臓も筋肉でできているので、脈拍のリズムは電気的な刺激によって命令されています。電気信号が生まれる源は洞結節です。心臓の中には<刺激伝導系>といった電線のような働きをする細胞が並んでいます。ここを電気信号が規則正しく流れると、それと共に心臓全体も規則正しく収縮します。(図:右)

■ 徐脈(脈が遅いこと)に対する治療
事前に詳しい検査が必要ですが、脈が遅くなる心臓病にはペースメーカーの植込みが必要になることがあります。ペースメーカーの植込みに不安を持たれる患者さんも多いと思います。それではペースメーカーと、その植込み手術について説明しましょう。

■ ペースメーカーについて
ペースメーカーはリードとジェネレーターからなります。(図:右)
リードとは、心臓と電気のやり取りをする電線のことで、一般に肩の静脈(鎖骨下静脈)から心臓の右側の部屋(右房・右室)へ1本ないし2本入れます。(図:下左)
ジェネレーターとは電気信号を制御するコンピューターと電池が内蔵されたものです。大きさはマッチ箱程度、重さは40g程度です。(図:下中)
ペースメーカーは胸の皮膚の下に植込むことが一般的です。(図:下右)

■ ペースメーカーの植込み手術について
ほとんどの場合局所麻酔で行えますし、1〜3時間の手術時間で終わることが多いです。手術6時間後から歩くことが可能です。手術後7日以内に退院できることがほとんどです。考えられうる合併症としては、細菌による感染症や、心臓・肺等の損傷があります。しかし、いずれもまれです。

■ ペースメーカーのメンテナンス
ペースメーカーが実用化されて40年以上が経ち、ペースメーカーの信頼性・安全性は飛躍的に向上しております。しかし、電池に関しては残念ながら充電式のものは未だ商品化されておらず(一時存在したが非実用的であった)、多くのものは5年から10年で電池がなくなってしまいます。その都度ペースメーカーの電池交換(ジェネレーターの中に内臓されている)が必要となります。このため定期的に受診し、電池の残量を調べる必要があります。電池は突然になくなることはありません。電池がなくなる前に余裕をもって交換の時期を指示します。

■ ペースメーカーを入れた後の生活について
あなたの生活はいつものまま
ペースメーカーを植え込んだ場合、多くの人が日常生活に不安を抱くようです。例えば、ゴルフ・テニスもだめ、セックスもだめと、何に関しても諦めがちです。しかし、実際には殆どいつもと変わりがない生活を送ることができます。運動しても、温泉に行っても、海外旅行をしても結構です。ペースメーカーを植え込んだ当初は、多少不快なものと感じられるかもしれません。それは長くは続かないことがほとんどです。

■ ペースメーカー手帳について
 自動車に必ず車検証を車に乗せておくように、ペースメーカーを入れた方は必ずペースメーカー手帳を携帯しておいてください。ペースメーカー手帳には、病気の名前、ペースメーカーの種類・設定、手術を行った場所・時間、ペースメーカーの状態などが詳しく書かれています。心臓病以外で医療機関を受診するときもペースメーカー手帳を提示してください。医療器具の中には強い電磁気を用いているものがあるからです。

■ 携帯電話はかけてよいのですか?
 携帯電話は22センチ以上離してかけるとペースメーカーの機能に異常を及ぼさないことが実験によって証明されています。携帯電話はペースメーカーを入れたのと反対方向の手で扱えば問題はないと考えます。左側にペースメーカーを入れられた方は左の胸ポケットに携帯電話を入れておかないように気をつけてください。

■ ハイジャック防止装置は危険?
ペースメーカーは飛行場のハイジャック防止の検知器に反応することがあります。空港の出発ゲートに入る前に係員のかたにペースメーカー手帳を見せてください。

文責:西山 慶
 
 
 

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