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◆ 心房細動にメイズ手術
心房細動とは
心房細動は不整脈の一種類です。脈拍が速くなったり遅くなったり不規則になります。このため、この不整脈の発作が起こると動悸(どうき)やふらつきを感じます。心房細動の発作を起こしたり、正常の規則正しい脈拍に戻ったりを繰り返している場合には発作性心房細動と呼びます。心房細動のままで長期間にわたり固定してしまっている場合には慢性心房細動と呼びます。心臓の弁膜症、特に僧帽弁の病気がある場合には高率に慢性心房細動を併発しています。
心房細動に陥ると心臓がポンプとして血液を送り出す力が少し衰えます。さらに心房内で血が停滞して固まりやすくなるため、血栓(けっせん)と呼ばれる血の塊が生じやすくなります。この血栓が心臓から離れ流れに乗って送り出されてしまうことがあります。そして、この血栓が運悪く脳に流れ込み脳血管に詰まると脳梗塞を起こすこととなります。心房細動から正常の規則正しい脈拍に戻す手術です。

メイズ手術とは迷路のこと
心房細動では、心筋を収縮させる電気的な刺激が、正常のルートを離れて心房でグルグル回るとの説が有力視されています。メイズ手術とは、この異常な刺激の伝導の旋回を防ぐために、心房の筋肉を迷路状に一旦切開して再び縫合するものです。「メイズ」とは英語の言葉で迷路を意味します。心臓弁膜症で弁置換や弁形成術の手術を行う場合に同時にメイズ手術を施行します。すると弁が治り心機能が改善するだけでなく、心房細動も治り規則正しい脈拍に戻ります。

成功率と適応
メイズ手術は全例で成功するわけではありません。現在、このメイズ手術を行うことより約80%で心房細動から正常の脈に戻ります。残念ながら全ての症例で成功するわけではないのです。このためメイズ手術は心房細動だけの患者様に施行することは稀で、弁膜症を持つ患者様が弁を直す手術をする時に、あわせて行うのが普通です。

症例紹介
患者様は59歳の女性です。僧帽弁狭窄症に心房細動を合併していました。かつては心房細動になっても薬を内服すると正常の心拍リズムに戻っていたのですが、ここ数年は心房細動で固定したままでした。また、僧帽弁狭窄症も進行し弁口面積が1.0平方センチしかありませんでした。この弁口面積というのは弁が開いたときの開口部の面積のことです。正常の方は僧帽弁では4から5平方センチあります。つまり弁が正常の4分の1から5分の1しか開かなくなっていたのです。
弁置換手術と同時に「メイズ手術」をおこないました。下に心電図を示します。左が手術前、右が手術後です。波形の間隔が規則正しくなっているのが理解できると思います。階段を昇っても息切れせず楽になりました。今では、軽い運動も楽しむまでに回復しています。

メイズ手術前 メイズ手術後


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