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◆狭心症へのPTCA
狭心症は心臓を養っている冠動脈という血管が動脈硬化で狭くなっていることが原因です。この狭くなった血管の中に小さな風船を入れて押し拡げるPTCAは、狭心症や心筋梗塞などの治療の中心としての地位を確立しています。PTCAとは次のような意味です。

P:Percutaneous→経皮的
T:Transluminal→経管的
C:Coronary→冠動脈
A:Angioplasty→形成術

この四つの言葉の頭文字をとったものがPTCAなのです。皮膚の上から血管を穿刺して血管の中を管(カテーテルといいます)を進め、冠動脈を拡張する方法という意味なのです。そのまま直訳すると経皮経管的冠動脈形成術となります。患者さんに説明する場合には、わかりやすく「風船療法」と呼ぶ医師もいます。では実際の症例を見てみましょう。

 
55歳になる男性患者さんの右冠動脈の写真です。病名は労作性狭心症です。矢印の個所が狭くなったところです。ここが狭いので冠動脈を流れる血液の量が少なくなります。すると心臓の筋肉は酸素と栄養分が不足して十分に働くことができなくなるのです。患者さんには、締め付けるような胸の痛みとして自覚されます。これが狭心症と呼ばれる由縁です。 冠動脈の中にガイドワイヤーと呼ばれる細い針金を通します。針金といっても、とても細くできているので髪の毛のように軟らかなものです。このガイドワイヤーは先端がプラチナでコーティングされておりX線の透視で見えるようになっています。この透視下でガイドワイヤーを操作して狭窄した個所をうまく通過させるのがPTCAの手技のなかでも難しいところです。 ワイヤーが通れば、それに沿わせるようにバルーン(風船)を狭窄部に進めます。ここではバルーンは、まだ膨らんでおらず小さくたたまれています。狭窄部とバルーンの位置が一致していることを確かめてバルーンを拡張します。普通は8から12気圧ほどの圧力で拡張します。このバルーンのサイズは血管の径に合わせて選択します。普通、冠動脈は3mmほどの太さですので、バルーンも3mm前後の径が良く用いられます。バルーンは筒状の形で、長さは20mmほどです。写真はちょうどバルーンが拡がっているところです。 拡張が終わり、バルーンを収縮させ抜き取った後の写真です。いわば最終の出来上がりです。写真Aで狭かった部分が前後と変わりなく拡がっています。この患者さんは、この治療により狭心症の発作から解放され元気に仕事をこなし、ゴルフや水泳などのスポーツも楽しんでいます。しかし、内服薬は続ける必要があります。また、動脈硬化で冠動脈が痛みやすい体質がPTCAにより消失したわけではありません。食事にも注意してゆくことが大切です。

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