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編集後記 ホームページ開設にあたって このたび小倉記念病院循環器科のホームページがオープンしました。私はこのホームページの編集を担当している中川と申します。普段は小倉記念病院循環器科の医師の一人として、外来診察に入院患者さんの治療にと忙しく働いております。 私は個人的にもコンピュータとインターネットに強い興味と関心を持ってきました。北九州市で個人として2番目にISDN回線を自宅に引き込み、秋葉原までターミナルアダプタをはるばる買いに行った私にとって、現在のインターネットの普及はまことに喜ばしいものです。私なりにインターネットと医療について考えてみました。 インターネットが他の情報媒体と異なる点は、双方向性とオンデマンドの二点があげられると思います。テレビは流されてくる番組を観るだけですから、テレビ局から視聴者への一方向です。これに対してインターネットは相互の立場が拮抗しています。ホームページの視聴者のサイドからも情報発信することができます。医療で例えれば、インターネットを利用して患者さんが病状や画像情報をデジタル化して送信し、遠く離れた医師の診察を受けることも可能です。また、テレビは番組表にしたがって情報が流れてきますが、インターネットでは、受け手の時間に合わせて見たい時に自分のペースで閲覧できます。これがオンデマンドです。患者さんの興味や理解力は各個人で異なりますから、医療系の情報を伝達するためには重要な点です。 知識と技術が確かで、人格的にも優れた良い医者にめぐり合いたい。これは病気に悩む患者さんには当然の願いです。では、どうすれば自分の病気に適した名医がどこにいるかがわかるのでしょうか。書店に行けば名医紹介といった類の本が山のようにあります。患者さんが情報不足の環境にあるから、これらの本が売れるのです。原始的な情報媒体といってもよい「クチコミ」に頼るしかないのが現状かもしれません。国が、病院や医院の広告を厳しく規制していることも一因です。病院名や標榜科など、ほんの限られた情報以外は表示できないのです。しかし、患者さんが知りたいのは、もっと詳しい情報です。現在のところ、インターネットであれば、医療機関は自由に情報を発信できます。患者さんにとって必要な情報を先取りして提示することも可能です。 小倉記念病院循環器科のホームページでは、単に医学的な知識だけでなく、自分たちの治療成績を正直に公開しています。「インフォームド・コンセント」は「説明に基づく同意」と訳されます。説明するには自らのデータを公開する以外にないのです。検索サイトで調べると、多くの病院、医院のホームページがあります。その中には、その医療機関を受診すれば魔法のように何でも治るかのような内容のサイトも存在します。期待通りにうまくいかない場合もあるのが、現実の医療です。この現実のデータを公開するのには勇気が必要でした。あえて公開に踏み切ったのは患者さんに必要な情報であるからなのです。 インターネットは限りない可能性を秘めた道具です。通信速度の改善によってさらに有用性が高まるでしょう。しかし、問題がない訳ではありません。情報が過多になりすぎると、患者さんにとって本当に必要な情報は何か、正しい情報は何か、これが不明瞭になります。情報が多すぎて情報の選択ができず、かえって情報不足に陥るという自己矛盾を内在しているのです。医療は患者さんと医師が、向かい合って話をする一対一の信頼関係が前提となっています。インターネットだけで医療を進めようとすれば、希薄な人間関係、信頼関係が問題になることでしょう。 この小倉記念病院循環器科のホームページは、今後も内容の更新、改善をはかり心臓病に関しては日本一のサイトに育てたいと考えています。まだまだ不足も多いと思います。出版してしまえば修正ができない本と違い、少しずつ手直しをして育てていくことができるのがホームページの利点です。そのためにも皆様の批判、ご意見をお待ちしております。 2000年10月
小倉記念病院循環器科ホームページ編集責任 中川義久
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