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編集後記 リレーエッセイ「健康診断の結果表を見て誓ったこと」
小倉記念病院循環器科 安東 治郎
先日、健康診断をうけ、その結果がかえってきた。慢性的な運動不足で、このところ右肩上がりに体重は増えてきており食生活においても不摂生をしているとの自覚があるため、正直言って結果をみるのが少し恐かった。案の定、血中総コレステロール値がやや高く境界値であった。日頃、患者さんには「動脈硬化を予防するために適度な運動を心がけ、食べ過ぎに注意して下さい。できれば、動物性脂肪の多い肉類や鶏卵、魚卵、内臓(レバーなど)を控えて、鰯や鯖のような背の青い魚や海草類、そして野菜類を食べるようにした方がよいでしょう」と話している。だが、健康診断の結果表の中には患者さんに言っていたことを全く守れていない自分自身がいた。医者の不養生そのもので、まるで選挙演説はすばらしいことを言うのに公約はまるで守れないどこかの国の政治家のようである。 ここで動脈硬化の成因と進行について考えてみよう。動脈硬化は加齢とともに進行するが、高脂血症があるとその進行がさらにはやまる。動脈硬化をおこすしくみで、主犯と考えられているのがLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)である。血管は外膜・中膜・内膜の三層構造となっているが、内膜が傷つくとそこからLDLコレステロールが侵入し酸化・変性され酸化LDLとなる。酸化LDLが増えると白血球の一種であるマクロファージがこれを食べ、最終的には泡沫細胞(脂肪のかたまりのようなもの)となり内膜に沈着する。その他にも中膜の平滑筋細胞が増殖することによって血管の内腔の狭小化などの動脈硬化性変化をおこすと考えられている。加齢による動脈硬化はゆっくりと進行するが、高脂血症があると血液中の余分なコレステロールが短期間に血管壁に沈着し脂質プラークをつくる。この脂質プラークは薄い被膜で覆われているだけで非常に不安定な状態である。被膜が破れると血栓ができて突然血管を塞いでしまう。心筋梗塞や脳梗塞をおこす危険が高いのである。運動や、食事だけですべての高脂血症を治療することはできないが、軽症の高脂血症には適度の運動や食事療法は効果的で動脈硬化を予防する。 さて、二十一世紀を迎えるにあたって、私自身が誓いをたてました。「運動をこころがけ、食事も摂生する」という誓いです。それは、自分自身の健康のため、そして患者さんの支持を失わないためでもある。 |
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