一般向けHOMEへ
心臓血管外科の目次へ



人工心肺とは
 人工心肺とは、心臓および肺の働きを代行する装置です。心臓・大血管の病気を治すために直接目で見ながら手術するには、心臓を停止し血液の流れを止めなければなりません。
 しかし、単純に血液の流れを止めてしまうと全身の血液循環は行われなくなり、数分で低酸素障害に陥ります。したがって心臓へ出入りする血液の流れを止めるとともに、静脈血を人工的に酸素化し全身へと循環させるメカニズムが必要となります。
 つまり、手術中の心臓が止まっている時間、ポンプ作用を代行し全身の血液循環を維持し、肺の代行としてガス交換を行う装置です。

正常循環とは
 普通、肺で呼吸し酸素を吸って二酸化炭素を排出しています。心臓は4つの部屋から成りたっており、右心系(右心房、左心房)と左心系(左心房、左心室)に別けられます。血液の流れとしては、体・頭から戻ってきた静脈血は右心系に入り肺に送られます。肺で酸素化され動脈血となり左心系に入ります。左心系から大動脈を経て体と頭に酸素を含んだ動脈血を供給します。

人工心肺の構造
 人工心肺は、血液を循環させるポンプ、ガス交換を行う人工肺、循環血液の温度を調節する熱交換器、そしてこれらを連結する回路から成りたっています。人工心肺装置と人体を対比すると次のようになります。

人体 人工心肺
心臓の機能 ポンプ
肺の機能 人工肺
体温調節 熱交換器
血管 回路

人工心肺の実際
 体と頭から戻ってきた静脈血は右心系に戻らずチューブを通って体外に導かれます。この体外に導かれた血液は一時的に貯蓄されてからポンプで押し出されます。次に熱交換器で温度調節がなされます。大血管の手術で体と脳を冷やす必要があるときには冷たい血液を送り出すこともあります。さらに人工肺で酸素化がなされ動脈血となりチューブを通って大動脈に送り込まれます。
(構成;谷延憲児)


人工心肺を監視しているところ


一般向けHOMEへ
心臓血管外科の目次へ